2008 Fiscal Year Annual Research Report
抜歯窩壁の骨吸収抑制はオッセオインテグレーションを促進するか?
Project/Area Number |
20791431
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
荻野 洋一郎 Kyushu University, 大学病院, 助教 (50380431)
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Keywords | 再生医学 / 細胞・組織 / 歯学 / 動物 |
Research Abstract |
本研究は、インプラント埋入時に起こりうる周囲骨の吸収に対して、生体活性物質を投与することにより、骨吸収を抑制することができれば、オッセオインテグレーションの獲得が可能になるかどうかを検討することを目的としている。本年度では、骨吸収抑制のできるタンパクの評価をin vitroで行うことを中心に行ってきた。破骨細胞形成抑制因子として、osteoprotegerin(OPG)とInterleukin-1 Receptor抗体(IL-1RA)を選択した。In vitroの実験系においてこれら2つのタンパクをラット骨髄細胞を用いた破骨細胞分化系(活性型Vitamin D3添加)に添加し、その効果を確認することとした。本法であるが、ラット骨髄細胞を採取後、3日間培養後にメディウムを交換し、2日後(培養期間計 : 5日間)に破骨細胞のマーカーである酒石酸抵抗性酸フォスファターゼ(TRAP)で染色した。その結果、OPG、IL-1RAともに濃度依存性に破骨細胞様細胞(TRAP陽性多核細胞 : TRAP染色陽性で、かつ3核以上を有する細胞)の形成を抑制した。 次に、動物実験では、ラットを用いて、予備実験を開始した。ラット脛骨に埋入窩を形成し、ここにIL-1を投与し、インプラントを埋入した。予備実験においては、1) 投与タンパクの濃度、あるいは量の検討、2) タンパクの投与方法を検討した。しかし、脛骨における、治癒においては、インプラントと骨との間に吸収を起こすようなギャップを形成することは困難であり、これにより、本研究の目的であるインプラント周囲の骨吸収を誘導することは困難であるように思われた。よって、1)、2)の検討は、今後も行う予定であるが、タンパク投与の効果の検討に加え、実験モデルにおいてもさらなる改良が必要と思われた。 さらに、in vitroの実験においても、両タンパクの添加時期を変え、添加したタンパクの生物学的作用機構の解明も追加の実験として行う予定である。
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