2009 Fiscal Year Annual Research Report
骨芽細胞の分化およびメカニカルストレス応答性におけるAMPKの機能的役割
Project/Area Number |
20791434
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
葛西 貴行 Kagoshima University, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (30457650)
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Keywords | AMPK / 骨芽細胞 / メカニカルストレス / シグナル伝達 / エネルギー代謝 |
Research Abstract |
メカニカルストレス(MS)は、骨組織における重要な代謝調節因子である。骨芽細胞の分化には、RUNX2を含む幾つかの転写因子が必須であると報告されている一方、細胞内における分化調節に関わるシグナル伝達経路は未だ不明な点が多い。AMP-activated protein kinase (AMPK)はエネルギー飢餓のセンサーとして働くキナーゼとして知られ、骨細胞を含むあらゆる細胞種で発現しているが、骨代謝における機能的役割については殆ど解明されていない。今回、MSの一つである低周波超音波刺激によりAMPK発現レベルに変化が見られたことから、骨代謝とAMPKの関連についてin vitro分化モデルにより追究した。AMPKのリン酸化で示す活性は、初代骨芽細胞とMC3T3-E1細胞いずれの分化過程においても低下が見られた。一方、骨芽細胞最終分化の指標である基質石灰化は、AMPK持続的活性化効果のあるグルコース制限及びmetformin刺激、さらに活性型AMPK強発現によって著明に抑制された。Metforminは、Runx2発現の抑制と、骨分化マーカー(オステオカルシン,骨シアロタンパク,オステオポンチン)発現及びアルカリフォスファターゼ活性を有意に抑制した。これらにより、生理的なAMPK活性の低下がRunx2発現誘導を介して、骨芽細胞の分化シグナル伝達経路に関わりを持つ可能性が示唆された。前駆脂肪細胞3T3-L1細胞においても、AMPK活性を持続させると脂肪細胞への分化が有意に抑制されたことから、間葉系幹細胞由来細胞の分化にAMPKが関与する可能性が示唆された。MS応答性におけるAMPKの機能は解析途中であるが、低周波超音波刺激によるAMPK活性の低下が確認出来ている。
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Research Products
(2 results)