2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791443
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山本 史朗 Nihon University, 松戸歯学部, 助手(専任扱) (50419793)
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Keywords | 歯科 / 総義歯 / 長期軟性裏装材 / 動的粘弾性 / 劣化 |
Research Abstract |
生体内における軟質リライン材の劣化に関する研究をスタートする前に, この材料のベースライン時の理工学的特性を検討するため本研究を立案した. アクリル系軟質リライン材と各シリコーン系軟質リライン材の床下疑似粘膜下に生じる圧力動態の変化に関する計測を理工学的に行った.方法 : 直径6mmの圧力センサを厚さ1.5mmのシリコーン製疑似粘膜で被覆した後, 擬似粘膜上に試験体をのせ衝撃試験を行った. 試験体は直径6mm厚さ2mmの床用レジンを2mmの軟質リライン材でリラインし作製した. 軟質リライン材には, アクリル系軟質リライン材(PSR), 2種類のシリコーン系軟質リライン材(SLT, SLMS)を使用し, コントロールは, 厚さ4mmの加熱重合型床用レジンのみで作成した. 圧力動態を評価するパラメータとして, 圧力センサへの入力信号の最大値を表す最大圧力, それに要する時間を表す最大圧力到達時間, そして最大圧力を最大圧力到達時間で除した圧力伝導速度を設定した. MANOVA, ANOVAおよびBonferroni法を用い, 有意水準は0.05以下で統計分析を行った.結果 : 最大圧力はコントロール, PSR>SLT>SLMS ; 最大圧力到達時間はSLTおよびSLMS>コントロールおよびPSR ; そして圧力伝導速度はコントロール, PSR>SLT, SLMSの大小関係にあった.結論 : in vitroにおける衝撃荷重時, シリコーン系軟質リライン材はアクリル系軟質リライン材と比較して優れた緩圧効果, 最大圧力到達時間および圧力伝導速度の遅延効果の3つの圧力動態特性を示した.
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