2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791449
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
新村 弘子 Matsumoto Dental University, 歯学部, 助教 (70329473)
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Keywords | 支台築造 / 歯根破折 / 有限要素 / 応力解析 |
Research Abstract |
歯槽骨吸収の原因となる荷重方向を調査し歯根破折のメカニズムを解明するためにポスト装着歯のなかで,口腔内で歯根破折を起こしている歯を対象とし,歯周ポケットの診査,動揺度の診査,打診等,チャートを記録した.そしてスタディモデルを作製し,デンタルX線撮影を行い歯根破折の二次元的観察および,周囲歯槽骨吸収の二次元的観察を行った.さらに歯科用小型X線CT(3DX)撮影を行い歯根破折の三次元的観察および,周囲歯槽骨の三次元的観察を行った.これをもとに歯槽骨吸収の存在する,歯槽骨吸収モデルと,歯槽骨吸収の存在しない,歯槽骨非吸収モデルを作成した. 現在,歯根破折の様相を調べるために,エポキシ歯牙に築造窩洞形成を行い,これに金銀パラジウム合金で支台築造後,荷重実験を行っている.さらに頬側に歯槽骨吸収を引き起こす力の方向を検討するため三次元有限要素法による応力解析を行い,歯槽骨吸収の原因となる荷重方向を調査した.その結果,舌側荷重に対し歯槽骨非吸収モデルでは,頬側歯頸部中央部と近遠心隅角部に応力集中帯が認められるのに対し,歯槽骨吸収モデルでは,歯根中央部に応力が分散し,歯槽骨吸収の最も根尖よりの部分では応力集中は観察されなかった.そして歯槽骨非吸収モデル,歯槽骨吸収モデル,共に頬側荷重,近心側または遠心側荷重に対しては頬側歯頸部付近への応力集中はみられなかった.これは2009年6月25日,雑誌に投稿した.今後,この結果とエポキシ歯牙への荷重実験結果を比較し,歯根破折のメカニズムを解明する.
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