2009 Fiscal Year Annual Research Report
水酸化カルシウムスラリーを用いたチタンインプラントへの骨誘導性能付与
Project/Area Number |
20791460
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
大津 直史 Kitami Institute of Technology, 工学部, 講師 (10400409)
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Keywords | 歯科インプラント / 表面処理 / 化学処理 / 骨形成 / タンパク吸着 / 耐食性 |
Research Abstract |
平成21年度は、スラリー状処理剤にチタン基材を埋入した後におこなう熱処理条件の影響を詳細に調べた。まず、熱処理温度を広範囲に変化させ、その結果として得られる皮膜の構造を種々の表面分析法を用いて明らかにした。さらに、作製されたこれら皮膜の生体活性、タンパク吸着挙動および耐食性を調べることで、種々の特性を併せ持つ、実用化に好適な処理温度の決定を試みた。 検討の結果、(1)処理温度600℃以上で、結晶化したチタン酸カルシウム(CT)皮膜を作製できること、(2)熱処理温度を上昇させると、CT皮膜の膜厚が増加すること、(3)熱処理温度700℃以上では、表面形状が粗くなること、(4)CT皮膜はチタンの生体活性を向上させるが、その性能は熱処理温度に依存しないこと、(5)CT皮膜は表面におけるタンパク吸着を抑制出来、その抑制効果は熱処理温度に依存しないこと、(5)CT皮膜はチタンの耐食性を向上できるが、熱処理温度800℃では耐食皮膜が不安定になること、(6)(1)~(5)の結果から考察すると熱処理条件は650℃程度が好適であること、以上を明らかにした。 これらの成果は、今後の研究遂行において必要不可欠な基本的データであり、この成果を基に、平成22年度の研究も遂行し、本技術を実用化可能な医療技術として押し上げていくことを目指す
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