2008 Fiscal Year Annual Research Report
組織工学的手法を用いた唾液腺の再生治療に関する研究
Project/Area Number |
20791464
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉戸 孝行 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, COE研究員 (50467297)
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Keywords | 再生医療 / 幹細胞 / 唾液腺 / 浮遊培養 / 3次元培養 |
Research Abstract |
唾液腺幹細胞の可塑性を維持したまま、長期培養するには通常の平面培養では困難なのである。そこでわれわれは肝細胞などの3次元培養に用いられているラジアルフロー型バイオリアクターに着目した。ラジアルフロー型バイオリアクターを用いた唾液腺細胞の三次元培養に先立ち、三次元構造を有する担体Polyvinyl alcohol(PVA)への細胞接着について検討を行った。方法としてPVAの円盤上に唾液腺細胞を平面培養し、2・4・6・8・10日後においてDAPIを用いた核染色を行い、蛍光顕微鏡にて担体上における細胞の生着・増殖を確認した。 結果としてPVA上において培養唾液腺細胞の良好な生着・増殖は認められなかったため、以前われわれが行った研究にならい、PVAをファイブロネクチンにてコーティングし、同様の実験を行った。その結果、ファイブロネクチンにてコーティングした実験群においては担体上で、培養細胞の経時的な増殖を認めた。この結果をふまえ、われわれは三次元培養に先立ち、バイオリアクターにて20μg/mlファイブロネクチン溶液を循環させることにより担体(容積 : 5ml)をコーティング、その後5.0×10e7個の培養唾液腺細胞を含む培地を循環させ、細胞を担体上に接着させた。今後得られた検体をH. E染色ならびに、抗ZO-1, Claudin-1, Claudin-3抗体を用いた免疫染色により組織学的に評価する予定である。さらに溶存酸素濃度や循環培地圧の測定などこの実験により唾液腺のみならず、大容積の実質臓器の再生の可能性についても示唆を与えうると思われる。
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Research Products
(2 results)