2009 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカインを固定化した機能性チタンインプラントの開発
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20791467
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平田 伊佐雄 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40346507)
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Keywords | チタン / アルキルホスホン酸 / 表面改質 / 表面プラズモン / 生体適合性 |
Research Abstract |
本研究は申請者がこれまで培った表面処理技術ならびに解析技術をもとに,耐加水分解性にすぐれたアルキルホスホン酸を用いて (1)チタン表面上でのアルキルホスホン酸およびタンパク質のリアルタイム相互作用解析(平成21年より続き) (2)組織接着・骨再生因子を固定処理したチタンの作製と観察観察 を行うことにより長期間にわたり組織接着性・骨再生能を有するチタンインプラント表面の改質法を確立することを目指している. (1)においてアルキルホスホン酸を用いたチタンの表面処理過程を,チタンSPRセンサーを用いて測定することにより,酸緩衝液中に混合したアルキルホスホン酸が,チタン表面が酸でエッチングされ,エッチングにより活性化しているチタン表面に結合していることが示された.また、酸緩衝液のpHを調整することにより表面処理能力が調整できることが示された. アルキルホスホン酸のアルキル鎖の長さの変化により、チタン表面のエッチング速度が制御された。これは、アルキルホスホン酸吸着層によるチタンエッチング抑制効果が強くなっている物と考えられた. これらの結果より、アルキル鎖長や緩衝液のpHを調整することにより、チタン表面のアルキルホスホン酸被覆層が制御できると思われる。 (1)で開発されたチタン処理法を用いて(2)を行った。チタン表面処理に用いたアルキルホスホン酸の表面官能基であるメチル基・カルボキシル基・アミノ基を調整することにより、チタン表面の親疎水性および表面電位をコントロールした。これらの表面特性を用いて、組織接着・骨再生因子を有するサイトカインをチタン表面物理的に、もしくはカルボキシル基・アミノ基を介して化学的に結合することが出来る。 これらの結果より,本研究で開発を目指すアルキルスルホン酸を用いたチタン表面改質とサイトカインの長期間固定化技術は,チタンインプラントの組織接着性と骨再生能を著しく向上することが期待できる.
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