2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨伝導性と高耐蝕性を示すチタンインプラント材料の創製
Project/Area Number |
20791469
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山添 淳一 Kyushu University, 大学病院, 助教 (30452717)
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Keywords | 歯科インプラント学 / ティッシュエンジニアリング / 高耐蝕性 |
Research Abstract |
本研究は、過酷な口腔内環境において腐蝕しないような高耐蝕性を示し,さらに骨内に埋入した際に早期に骨と結合し, かつ高結合強度をもつチタンインプラント材料の創製を目的とするものである。口腔内において, (1) 酸性, (2) フッ素存在, という2つの条件が整えば, チタン及びチタン合金は腐蝕する。しかし、白金を0.5wt%添加したチタン及びチタン合金は,酸性フッ素存在環境においても高い耐蝕性を示すことを明らかにした。一方, チタン及びチタン合金は骨結合性であるが, 即時負荷インプラントやインプラント治療の適応症拡大の臨床上の要求に応えるためには, 骨結合性から骨伝導性にする必要がある。アパタイトなどの骨伝導性材料は(1) マイナス電荷の材料表面にCa^<2+>が結合する. (2) 電荷がプラスになった表面にリン酸イオンが結合する. (3) 形成された非晶質リン酸カルシウムが熟成され骨様アパタイトとなり, 骨芽細胞が骨を形成するというシークエンスで骨伝導が発生することに着目し, 材料表面にCa^<2+>を結合させれば骨伝導性を制御できると考え, 塩化カルシウム水熱処理をチタンに施し, Ca修飾チタンを作成した. これらの試料を用いて, 骨芽細胞の接着, 増殖, 分化, 骨形成に関する検討, 実験動物を用いた組織親和性, 骨伝導性等の多面的検索を行った. 現在インプラント臨床の場で, チタン表面へのアパタイトコーティングや表面形態の制御を行った材料が使用されている。現時点では, コーティング層の剥離による予後不良例等が報告されている. また, 表面形態制御は骨伝導性に影響を及ぼすことも知られているが限定的である. 現在その結果は、である。また上皮細胞の接着分子であるラミニン-5がカルシウム依存性であることに着目し, 上皮組織との接着力が向上する可能性について検討する予定である.
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Research Products
(2 results)