2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791479
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
岩田 隆紀 Tokyo Women's Medical University, 医学部, 助教 (60431946)
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Keywords | 歯周組織 / 再生医療 / プロテオーム解析 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
歯周組織を再生するにはセメント質の再生が重要であり、そのメカニズムに関しては不明な点が多い。そこで我々はセメント質が象牙質の近傍でのみ発生・再生することに着目し、象牙質基質のタンパクならびに歯根膜細胞に与える影響を検討してきた。ブタにおいては象牙質の非コラーゲンタンパクである象牙質シアロリン酸タンパク(DSPP)には個体間に差が観察されC末端のリピート領域の長短は象牙質形成には関与しないことが示唆された(J. Biol. Chem. 283, 14835-14844, 2008)。また、イヌの歯根膜細胞をインビトロで培養増幅し自家移植の系でイヌ象牙質面に配置したところ、細胞を移植していない群と比較して統計的有意差を持った歯周組織(歯槽骨・セメント質・歯根膜)の再生が観察された(Biomaterials, in press)。さらには、歯根膜細胞を抜去歯から分離抽出するとかなりの確率で上皮系の細胞を観察することが出来ることから、ヘルトビッヒの上皮鞘の残存上皮がセメント質形成に関与していることも否定できず、これらの上皮系細胞の検討も必要であろう。 以上の研究成果をふまえて、現在歯周組織関連遺伝子ならびにタンパクを網羅的に解析し、歯根膜細胞に与える影響を現在検討中である。具体的にはセメント質および象牙質のマトリックス成分を酢酸/塩化ナトリウム脱灰液にて抽出し、全タンパク質の発現をSDS-PAGEにて確認している。今後、抽出されたタンパクを二次元電気泳動にて展開しスキャナーで取り込み、差異のあるスポットを東京女子医科大学総合研究所の細胞プロテオーム解析室と連携してMALDI-MS質量分析器にて解析する予定である。
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Research Products
(8 results)