2008 Fiscal Year Annual Research Report
PLLA:ポリーL-乳酸を用いた歯科修復材料の検討
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20791483
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
水谷 智宏 Matsumoto Dental University, 歯学部, 助手 (70445914)
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Keywords | 生体吸収性材料 / PLLA / PGA / 乳歯 / 根管内ポスト |
Research Abstract |
乳幼児に対する小児歯科医療は、成長発達期に遂行される咀嚼や発音・構音といった口腔の機能形成という役割を十分に考慮した医療の提供が必要である。なかでも乳歯に対して歯内療法後に歯冠修復を行う場合、歯の交換期における乳歯歯根の生理的吸収を十分に考慮した処置を施さなければならない。そこで、これまで歯科口腔領域での使用目的として研究されていない生体吸収性高分子素材 : PGAとPLLAを用いて、乳歯用ポストの試作と臨床応用への可能性を視野に入れた研究を行った。 PGAとPLLAを歯科材料としての適合をみるために、ISOおよびJIS規格による1. 曲げ強度試験、2. 歯科用セメントとの接着性試験のほか、3. 曲げ弾性率試験4. 根管内ポストの設計、5. 加水分解試験を行った。 1. 曲げ強度試験では、ISOおよびJIS規格を超えた値を示し、歯科用支台築造用レジンと同程度の強度が認められた。2. 歯科用セメントとの接着性試験では、接着性が認められた。3. 曲げ弾性率試験では、歯科用支台築造用レジンと同程度の弾性率が認められた。4. PGAとPLLAを溶融後に押出成型を行うことにより、精密な根管内ポストの成型が可能であった。5. PBS浸漬下において、十分な加水分解様相が確認された。加水分解速度は、乳歯歯根の吸収速度よりもわずかに速い値であった。 乳幼児期から学童期の問にのみ認められる乳歯の特徴を考えながらも、個体の成長発育を十分に考慮した修復材料としての可能性が徐々に明らかになってきた。
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Research Products
(1 results)