2009 Fiscal Year Annual Research Report
FRCフレームワークを利用した,直接法による栓塞子作製方法の開発
Project/Area Number |
20791485
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
津江 文武 Fukuoka Dental College, 歯学部, 助教 (80454932)
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Keywords | FRC / 栓塞子 / 直接法 / 上顎顎義歯 |
Research Abstract |
FRCフレームワークを使用して歯科外来で直接法にて構築される栓塞子の実際の手技,診療の流れを考案した。 工業界のFRP製品に見られるような,ガラス繊維材料による立体構築の手法,樹脂の被覆方法や,歯科界におけるFRCの応用の実際等を参考に,作製方法を模索した。今回採用した方法は,プリプレグ(ガラス繊維束に樹脂を含浸させ半硬化体としたもの)を複数積層することで所望の形態を構築し熱硬化させる、オートクレープと呼ばれる工業界の手法を参考とした。 【製作ステップ】 1. FRC作製(プリプレグ状):ガラス繊維(直径20μm,Eガラス)を任意の長さに切断し、光重合レジン(UDMA/TEGDMA=1:1)を含浸させ、FRCプリプレグとする。 2. 栓塞子骨格の構築:診断用模型や実際の口腔内等を参考にしながら、複数のFRCプリプレグを格子状に構成する。必要に応じて歯科用コンポジットレジン重合用の光照射器を用いて予備重合を行いつつ、徐々に栓塞子骨格を構築していく。栓塞子骨格を口腔内に試適し、骨格形態を見いだしていく。 3. 栓塞子骨格の光重合:最終的な形態を決定した後、栓塞子骨格の光重合を行う。この場合の光重合器は歯科用コンポジットレジン重合用の光照射器ではなく、歯科技工用の強力なものが望ましい。 4. 栓塞子骨格と義歯本体とを接着:栓塞子骨格と義歯本体との位置関係を決定した後、栓塞子骨格と義歯本体とを接着させる。接着材料には、接着強度の観点からはスーパーボンドC&B(サンメディカル)が優れていた。 5. 栓塞子骨格を床用材料で被覆:任意の修理用レジンもしくは床裏装材で栓塞子骨格を1本ずつ被覆した後、骨格間の間隙を埋めていく。最終的には床裏装法の要領で栓塞子骨格を床用材料で完全に被覆し、顎欠損部に適合させる。
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