2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791487
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
城戸 幹太 Tohoku University, 病院, 助教 (40343032)
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Keywords | リンパ球 / βエンドルフィン / 疼痛管理 / 自己免疫療法 |
Research Abstract |
本年度は、ナノバブルを用いてリンパ球にβエンドルフィンを発現させるための条件設定を行うことであった。がしかし、細胞の死滅や導入効率が芳しくないことなどにより、現段階では疼痛管理法としては不十分である可能性が高まった。 当初の実験計画にも記載してあるが、目的はリンパ球にβエンドルフィンを積極的に発現させ、それを集中的に炎症疼痛部位に集簇させて鎮痛を図ることである。であるならば、予め炎症を生じているモデルからリンパ球を採取し、培養・活性化した後体内に戻せば、炎症部位を特異的に標的としたリンパ球が大量に同部位に集簇し、鎮痛効果を発揮するであろうと仮説を立てた。予備実験として、足アジュバントモデルにおいて所属リンパ節のβエンドルフィン活性をPCRで確認したところ、健側には認められなかったPOMC遺伝子(βエンドルフィン前駆体)の発現が患側には強く認められ、炎症部位においてリンパ球を通したβエンドルフィンの発現があることが強く予測された。このことから、癌治療において応用されている活性化自己リンパ球移入療法を疼痛治療に応用できる可能性が強く期待できる。場合によっては、遺伝子導入が困難であると言われている免疫細胞に対する方法としてはむしろ有効かもしれない。 現在、リンパ球を採取・培養したものを炎症疼痛モデルに移入し、疼痛の緩和が図れるか検討中であるが、炎症中期における疼痛制御の可能性が示唆されつつあり、今年度の検討で良い結果が期待される。
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