2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791487
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
城戸 幹太 Tohoku University, 病院, 助教 (40343032)
|
Keywords | リンパ球 / β-endorphin / 疼痛管理 / 自己免疫療法 |
Research Abstract |
これまで我々はより質の高い安全で効果的な疼痛管理法の開発を目標に研究を進めてきた。末梢免疫細胞、特にリンパ球におけるβエンドルフィンの発現、分泌機構に着目し、このタンパク質を強制的に発現させ、疼痛部位に集簇させることで、より選択的に全身的副作用の少ない疼痛管理法を開発することを目指している。 本年度は炎症性疼痛に対して活性化リンパ球が鎮痛効果を発現することができるかを検討した。これは癌治療に用いられている活性化自己リンパ球療法をペインコントロールに応用するものであり、まだ報告されていない。 1)マウスリンパ節、脾臓、末梢血液からリンパ球を分離・培養することができた。 2)β-endorphinの前駆体であるPOMC mRNAがアジュバントモデル患側の所属リンパ節(鼠径リンパ節)に発現していることが確認できた。これは、炎症巣にリンパ球が浸潤、β-endorphinを放出、リンパ節にてβ-endorphinを産生の後、再び炎症巣へ向かうというリンパ球の炎症巣における役割を強く推測させる。また、リンパ球をアジュバントモデルマウスに移入し、疼痛テストを行った。von Freyテスト、Paw flickテストにより評価した。リンパ球の培養日数、細胞数、アジュバント接種後の移入のタイミングなどを様々に検計しだが、コントロール群に比べ、リンパ球移入群に鎮痛傾向は見られるものの有意差を得るまでには至らなかった。理由として、個体差が大きいこと、リンパ球の活性化の測定が難しいこと、移入のタイミングなどがあげられた。今後、術後痛モデルを使用することで、急性期における鎮痛効果を狙っていく予定である。
|