2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791496
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大山 厳雄 Tokyo Medical and Dental University, 歯学部・附属病院, 医員 (30451975)
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Keywords | オステオポンチン / 口腔癌 / 癌の骨浸潤 |
Research Abstract |
現在、口腔癌の血漿マーカーはSCCやCEAなど存在するが、確実性が高いものではない。オステオポンチンは乳がんの転移に関わっているという報告があり、口腔癌でのバイオマーカーとしての有用性を期待できると考えられる。今回健常人と患者の血漿のサンプルを収集し、血漿中のオステオポンチンの濃度を測り、健常人での男女の比較、健常人と口腔癌患者、口腔癌患者の術前と術後の比較を行った。健常人と比較して口腔癌患者では血漿中のオステオポンチンの濃度が高い傾向にあることがわかった。また術後1週間では血漿中のオステオポンチン濃度が3倍以上となり、高値を示した。しかし手術侵襲による上昇が考えられるため、術後1ヶ月でのデータを必要と考え、現在検査中である。また癌に関与するとの報告のあるタンパク質との相関関係を解析するために、MMP2の血漿中のタンパク濃度を解析した。健常人と比較して口腔癌患者では1.5倍程度の高値を示した。現在オステオポンチンとMMP2の他にEGFやVEGFのタンパク濃度も測定中であり、健常人15サンプル、口腔癌患者術前、術後1週間、術後1ヶ月のそれぞれ10サンプル程度解析を進めている。今後もっと多くのデータを集めることにより、腫瘍の悪性度、転移しやすさ、また転移の早期発見のマーカーとなることを期待して継続して研究を続ける予定である。 口腔癌の骨浸潤に関しては圧迫型の骨吸収と浸潤型の骨吸収の解析をおこなった。X線診断では両者を分け、比較することが可能であったが、病理組織学的に皮質骨の吸収様式で分けることが困難であった。今後破骨細胞の関与、免疫染色などで、比較し、さらにはオステオポンチンの関与を解析する予定である。
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