2008 Fiscal Year Annual Research Report
歯の移植において多血小板血漿はどのように歯周組織を再生させるか
Project/Area Number |
20791498
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
新美 奏恵 Niigata University, 医歯学総合病院, 特任助教 (20397136)
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Keywords | 多血小板血漿 / 歯周組織 / 再生 |
Research Abstract |
多血小板血漿(Platelet-Rich Plasma, PRP)は血小板中に含まれる血小板由来増殖因子(PDGF)、トランスフォーミング増殖因子β(TGFβ)などの各種成長因子や血液凝固の際に形成されるフィブリン網の介在によって創傷治癒を促進すると考えられており、さまざまな分野で骨や軟組織などの組織再生の試みがなされており、私たちは歯の移植への応用も検討している。しかしながら、歯の移植へのPRPの応用による歯周組織治癒促進効果についての研究はなく、基礎的研究も全くない。そのため本研究では、PRPを併用した歯の再植の動物実験モデルを作成し、歯の移植におけるPRPの歯周組織治癒過程について形態学的手法を用いて解明することを目的とし、実験を行った。 本研究には生後10週齢雄性Fischer系ラットを用いた。 i) ラット心臓部より採血し、PRPを作製した。 ii) 上顎第二、第三臼歯を抜歯し、同部の抜歯窩を連続するように骨を削除して第二臼歯を再植し、第三臼歯抜歯窩にはあらかじめラットより採血し、調整したPRPを填塞するモデル(PRP群)と全血の血餅を填塞するモデル(全血群)を作製した。 本研究では、ラット心臓部からの採血とPRPの作製を行う手法を確立し、本モデルに使用するPRPの血小板由来増殖因子(PDGF)、トランスフォーミング増殖因子β(TGFβ)、血管内皮増殖因子(VEGF)、上皮増殖因子(EGF)などの測定を行えるようになった。 また臨床において歯の移植で最も多いパターンである智歯をその前方の第二大臼歯部へ移植するというモデルを作製することができた。これにより智歯の抜歯によってその前方に位置する第二大臼歯遠心根周囲に生じる歯周組織欠損に対し、PRPが効果的であるかどうかを検討することができるようになった。
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Research Products
(1 results)