2010 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節滑膜組織の退行性変化とその誘発・進行因子の解析
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20791500
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
池田 順行 新潟大学, 医歯学系, 助教 (70419282)
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Keywords | 顎関節 / 滑膜組織 / 退行性変化 |
Research Abstract |
顎関節症患者の滑膜組織には線維化、石灰化などの退行性変化が生じているとされるが、その組織学的変化の誘発や進行過程に関わる因子は全くもって不明である。本研究の目的は、まず発生学的見地から正常な顎関節滑膜組織というものを形態学的、生物学的に明確にした後、異常顎関節モデルを作成して、免疫綿織化学的ならびに微細構造学的手法をもちい、顎関節滑膜組織がたどる退行性組織変化とその誘発および進行因子を、形態学的、生物学的に明らかにすることである。申請した研究計画にもとづき、まず正常滑膜組織の構造を明らかにすべく発生学的見地からラット顎関節滑膜組織を観察した。生後1目では、上関節腔滑膜表層に扁平なHsp25陽性のB型細胞が出現した。生後3日目では、滑膜表層に配列するB型細胞に加え、深部に存在し細胞質突起を表層に伸ばすHsp25陽性のB型細胞も確認された。またライソゾームや偽足様突起をもつHsp25免疫陰性のA型細胞もやや深部にわずかに観察された。生後7日目では、滑膜表層がB型細胞の細胞体や細胞質突起によって覆われるようになり、A型細胞もその数を増した。生後15日目では滑膜表層のHsp陽性B型細胞が重層化し、突出した滑膜ヒダ側面を扁平な陽性細胞がシート上に覆っていた。A型細胞は細胞内小器官を発達させ表層下に位置するようになった。生後30日目では生後15日目と組織学的変化はなく、生後15日目以後の滑膜組織がいわゆる正常の滑膜組織の像であると考えられた。また、過大開口モデルを作成し、滑膜組織の組織学的変化を観察したが、これまでに大きな違いは見出せなかった。
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Research Products
(2 results)