2010 Fiscal Year Annual Research Report
口腔扁平上皮癌に対するAMPK活性化薬剤の増殖・浸潤・転移抑制効果の検討
Project/Area Number |
20791503
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
加藤 広禄 金沢大学, 附属病院, 医員 (30444201)
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Keywords | 癌 / 細胞・組織 / AMPK / アポトーシス / 浸潤・転移 |
Research Abstract |
口腔扁平上皮癌の浸潤様式である山本-小浜分類4D型由来細胞株であり、高浸潤性・高転移性を有するHOC313細胞を用い、2mMのAICARを1、2、4、8、24時間作用させ、その細胞質内のタンパク質を抽出し、AMPKαならびにその活性型であるPhospho-AMPKα、アポトーシス関連因子であるbc1-2、baxの経時的変化をWestern Blot法を用いて検討した。その結果、AMPKα、Phospho-AMPKαともに経時的に発現量の増加を認めた。また、アポトーシス抑制因子であるbc1-2の発現減弱、アポトーシス促進因子であるbaxの発現増加を認めた。さらに、核内のタンパク質を抽出し、p53や細胞増殖因子であるPCNA発現の経時的変化についてもWestern Blot法を用いて検討した。その結果、経時的なp53の増加ならびにPCNAの減弱を認めた。 AICARの口腔扁平上皮癌の細胞浸潤に対する効果についてもinvasion assayを用いて検討した。マトリゲルインサートならびにコントロールインサートにHOC313細胞を播種し、37℃、5%CO_2下で24時間培養した。それぞれのインサートメンブレンを移動したメンブレン下面の細胞数から浸潤率を算定し、比較した。その結果、AICARによる顕著な細胞浸潤抑制効果が認められた。 以上の結果より、AMPK活性化薬剤であるAICARの細胞増殖抑制効果ならびに浸潤抑制効果が確認され、今後の臨床における癌治療に対して期待できる薬剤であることが示唆された。
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