2008 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌に対する樹状細胞を用いた磁場誘導組織内温熱免疫療法
Project/Area Number |
20791506
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 憲幸 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 助教 (60378156)
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Keywords | 温熱療法 / 樹状細胞 / 磁性微粒子 / 抗腫瘍免疫 / 扁平上皮癌 |
Research Abstract |
1 樹状細胞の培養未熟樹状細胞(iDC)が確実に誘導、培養されていることを、細胞表面抗原(CD11c、CD11b、CD86、MHC class II)の発現をフローサイトメトリーで調べることで確認した。iDCの誘導培養ができるということは本実験の核となる重要な部分である。2. 腫瘍径の測定マウスの背側皮下に一定量のマウス扁平上皮癌細胞(SCCVII)を注入し、腫瘍の増殖速度を確認した。各個体の腫瘍径を揃えられることは重要である。腫瘍細胞の注入方法について検討し、手技を安定させた。3. 磁性微粒子(MCL)を用いた温熱療法径の異なる腫瘍に対して、43℃、1回の温熱を加え、その後の腫瘍径を測定した。ある腫瘍径以下のもので治療効果が評価し易いことが分かった。これは治療効果の評価をするにあたり、重要となる。4. 温熱条件の最適化腫瘍細胞に対し温熱ストレスを与えると、熱ショックタンパク(HSP)が発現する。最近の研究で、HSPの発現が多いほど、癌の抗原性が高まり、樹状細胞、マクロファージ等の抗原提示細胞に取り込まれやすいことが分かっている。代表的なHSPであるHSP70のSCCVIIからの発現についてvitroで検討した。さまざまな条件設定を行い、HSPの発現量を経時的に調べた。このことはより免疫を賦活するための温熱方法と、樹状細胞の注入のタイミングを決定する上で重要である。5. 今後、vitroで得られた温熱療法の最適条件と、樹状細胞の注入法の最適化についてさらに論理的に検討を行い、治療プロトコールを完成させる予定である。口腔癌に限らず、他部位の扁平上皮癌や他癌種の原発層、リンパ節転移、遠隔転移に対しても治療効果が期待できる。
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