2008 Fiscal Year Annual Research Report
組織工学的手法を応用した急速骨延長法における細胞動態の検討
Project/Area Number |
20791507
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木下 一彦 Nagoya University, 医学部・附属病院, 医員 (40467296)
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Keywords | 顎骨延長法 / 組織工学 |
Research Abstract |
1) 急速延長における延長組織の反応の調査 家兎顎骨延長モデルを用いて以下の延長条件にて12mmの顎骨延長を行った。 ・1.0mm/日×12日・3.0mm/日×4日・6.0mm/日×2日延長終了時、延長終了後2, 4週で屠殺し、周囲組織を含む延長組織を採取した。3.0mm/日、6.0mm/日の条件では骨の連続性は得られないが、歯肉上皮の伸展と修復を組織学的に調査し、3.0mm/日の延長条件では延長終了後4週に伸展された基底層の回復を確認した。また上記2条件においておもに粘膜下層に修復の過程で弾性繊維の発現をみとめ、延長後の周囲軟組織は特有の修復過程をたどる可能性を示唆した。6.0mm/日の条件は感染などのリスクが高くなり、また上皮部分の修復も不十分であった。本研究では3.0〜6.0mm/日の一日延長量が適切であるとおもわれた。 2) 至適な組織工学的移植材料の条件の検索 家兎より骨髄間質細胞、骨膜細胞、歯髄細胞、歯肉細胞を採取し、BMP-2やDEXを基礎培地に添加し、そのALP活性やRT-PCRによる遺伝子発現を調査した。骨髄間質細胞、骨膜細胞においてはPRPやペプチドハイドロゲルなどを担体とし、家兎頭頂骨モデルに移植し、PCBMを対照として4, 8週後の骨形成性を組織学的に調査した。PCBM群と比較すると細胞移植群は骨密度に関して総じて劣るものの骨量に関しては骨膜細胞はBMP-2を添加することによりほぼ同等といえる条件であった。
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