2010 Fiscal Year Annual Research Report
組織工学的手法を応用した急速骨延長法における細胞動態の検討
Project/Area Number |
20791507
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木下 一彦 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (40467296)
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Keywords | 顎骨延長法 / 歯肉 / 組織工学 |
Research Abstract |
ウサギの下顎骨に延長装置を設置し、待機期間5日、延長条件は緩徐延長群(1.0mm/day 12日)と急速延長群(3.0mm/day 4日間)で延長を行い、延長後0、2、4、6、8週で延長組織と延長部歯肉組織を評価した。延長組織の早期骨化を目的として、ウサギ頭頂骨モデルで有効であったBMP-2(25μg/ml)+ペプチドハイドロゲル群、培養骨髄間質細胞(1×10^7)群を作成した。骨形成性については、延長終了後2週でBMP-2+ペプチドハイドロゲル群、培養骨髄間質細胞群ともに骨の連続性を得て、その骨形成量は組織形態学的に延長終了後2週以降で対照群に対し、有意であった。BMP-2(25μg/ml)+ペプチドハイドロゲル群、培養骨髄間質細胞(1×10^7)群の間には統計学的に有意差をみとめなかった。延長部歯肉は組織学的に歯肉上皮の厚みにおいて急速延長群は緩徐延長群と比較しで延長期間後0-8週において有意に薄く、上皮釘脚は緩徐延長群では4週以降で、急速延長群では6週以降でみとめ、上皮の肥厚化を観察した。また急速延長群では上皮下組織においてElastica van Gieson染色で黒紫色を呈する弾性繊維を多くみとめた。歯肉上皮についてPCNA染色、TUNEL染色を行い、細胞の増殖とアポトーシスを観察した。急速延長群は緩徐延長群と比較し、陽性細胞数は有意に多かったが、BMP-2+ペプチドハイドロゲル群、培養骨髄間質細胞群と比較した場合に差異は有意ではなかった。急速延長によって延長部歯肉の治癒形態に相違をみとめたが、培養細胞や成長因子を応用し、早期に骨形成性を得ても歯肉上皮の経時的変化には大きく影響を与えないことが示唆された。
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Research Products
(1 results)