2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト口腔癌におけるEZH2の役割とEZH2SiRNAによる抗腫瘍効果の検討
Project/Area Number |
20791512
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
木谷 憲典 Tottori University, 医学部, 助教 (60403391)
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Keywords | 口腔癌 / SCC / EZH2 / アテロコラーゲン / SiRNA |
Research Abstract |
Polycomb遺伝子群のEZH2は細胞増殖および転移性の癌や様々な癌において、癌の悪性度や予後との関連性について報告があり、本研究において口腔癌においても発現し、口腔扁平上皮癌ではPCRにて低分化の方が高分化よりEZH2の発現量が多く見られた。免疫組織化学にてEZH2の高発現であれば、低分化で、リンパ節転移が多く、予後の悪化との関連性が見られた。EZH2のSiRnAを腫瘍細胞内に導入して抗腫瘍効果を確認するために、癌細胞を移植したヌードマウスを用いてEZH2SiRNAをアテロコラーゲンに混入して皮下注射を行い抗腫瘍効果をを確認する目的に、EZH2SiRNAを5種類設計した。また癌細胞はHSC-3(低分化),SCC-KN(中分化),HSC-4(高分化)を用いた。細胞培養用にアテロコラーゲンが敷いてある実験用シャーレであるアテロアレイ(KOKEN)を用いた。EZH2濃度条件や細胞播種数を検討し、複数回の試験を実施した。このうちRT-PCRによるmRNA抑制率の解析については計3回、細胞増殖試験については計2回実施した。結果1. EzH2 siRNAの配列(GTGTATGAGTTTAGAGTCA)(以下、siRNA #4)は他の配列に比べmRNA抑制率および細胞増殖抑制率ともに顕著な効果を示した。mRNA抑制傾向と細胞増殖抑制傾向の結果はほぼ一致した。2、siRNA #4は高効率でmRNA発現が抑制されたが(mRNAの発現量の70-80%を抑制)、増殖抑制効果は僅かであった(細胞数の20-30%を抑制)。これは、Takeshita et al., PNAS., 2000,などの文献と同様であった。(他の文献でEZH2 RIAiによる細胞増殖抑制効果は、導入6日目や8日目など比較的長期間の培養後に顕著に現れている。しかし、長期培養のために少ない数で播種を行うと、特にHSC-3細胞とSCCKN細胞において、細胞数に極端な差異が出る、細胞が増殖しないなどの問題が顕在化したため、長期培養は実施しなかった。)次にアテロコラーゲンにEZH2SiRRAを混入して癌細胞を移植したヌードマウスに注射したところ癌の縮小効果が、見られたが、濃度や条件の設定など実験の継続中である。結果としてEZH2SiRNAは口腔癌においても抗腫瘍効果が見られた。
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Research Products
(1 results)