2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞増殖因子徐放能を有する機能型Scaffoldの開発と骨再生への検討
Project/Area Number |
20791528
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
舘原 誠晃 The University of Tokushima, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (90380089)
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Keywords | 生体材料学 / 再生医療 / セラミック / 細胞・組織 |
Research Abstract |
顎骨欠損部を自家骨により再生させることは、臨床の場において非常に重要である。近年、これらを解決するために、再生医療による組織再生法が有用になりつつある。再生医療による骨組織の再生には、組織のもとになる細胞だけでなく、3次元構造の細胞から組織への再生の場(細胞の足場)となる材料(Scaffold)が必要である。そこで、骨形成を誘導する細胞増殖因子の徐放能を有し、早期に骨を再生させるScaffoldを開発するために、培養系および動物実験で骨再生を試み、臨床応用に最適な条件を見いだすことを目的とした。 Scaffoldの作製は、PLGA(ポリ-D, L-乳酸-ポリグリコール酸共重合体)にわれわれが開発した生体吸収性アパタイトを混合(重量比1:2 )させ、solvent-casting particulate leaching法により行った。塩基性線維芽細胞増殖因子(以下bFGF)をヘパリンと結合させ、bFGFを安定した状態でscaffold内に含浸させ、細胞増殖因子を含むScaffoldを作製した。Scaffoldが臨床応用に耐える機械的強度があるか否かについて小型万能試験機を用いて圧縮強さ、引張り強さを測定したところ、作製したScaffoldの強度は、PLGAのみで作製したscaffoldと比較して有意に高かった。さらに走査型電子顕微鏡にてScaffoldの表面構造を観察すると、内部結合を有する連続した気孔を認めた。これらのScaffold物性は骨再建において重要であり、また、細胞工学的に細胞の増殖に適した環境と考えられた。これらの結果をもとに、ウサギの頭蓋骨とScaffoldを埋入し、骨組織内での骨形成能およびScaffoldの吸収性について組織学的検討を現在行っているところである
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