2010 Fiscal Year Annual Research Report
口腔自己免疫疾患発症における樹状細胞の役割に関する研究
Project/Area Number |
20791530
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
梯 裕恵 九州大学, 大学病院・顎口腔外科, 医員 (30452775)
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Keywords | 樹状細胞 / 自己免疫疾患 / 扁平苔癬 / シェーグレン症候群 / 白板症 / 扁平上皮癌 / 免疫療法 / 癌幹細胞 |
Research Abstract |
悪性腫瘍の中に、自己複製能と多分化能とを有するごく少数の細胞集団である癌幹細胞(CSC)の存在が明らかにされている。本研究では正常口腔粘膜の上皮幹細胞マーカーであるΔNp63とp75NTRに着目し、口腔扁平上皮癌(OSCC)の発生や分化および増殖にどのように関与しているかについて検討を行い、さらに、樹状細胞を用いた免疫療法につながるターゲットをしぼるための研究を進めてきた。1.口腔白板症および口腔扁平上皮癌の生検材料におけるΔNp63およびp75NTRの免疫組織化学的検討 正常口腔粘膜上皮(NOE)、口腔白板症(OL)、およびOSCCの生検材料においてΔNp63およびp75NTRの発現を免疫組織化学的に検索した。NOEでは、ΔNp63は上皮基底層および傍基底層に、p75NTRは上皮基底層のみに認められた。OLにおいては、軽度異形成では上皮基底層から基底上層にかけて、中等度異形成、および重度異形成では上皮のほぼ全層に発現を認め、これらの陽性率は上皮性異形成の程度が重度になるにつれて増加していた。p75NTRの発現はNOEと同様上皮基底層のみに発現していた。OSCCにおいては、高分化型ではこれらが癌胞巣の最外層に限局して発現していたが、中分化および低分化型OSCCではほぼすべての癌細胞に発現が認められた。 2.口腔扁平上皮癌細胞株におけるΔNp63およびp75NTRの発現および機能解析に関する検討 OSCC細胞株を用いてΔNp63、p75NTRの発現を検討したところ、ΔNp63の発現量が多い細胞株でCK5とCK14は強く発現しており、反対にΔNp63の発現量が少ない細胞株ではその発現は弱かった。またΔNp63を発現していない細胞株においては、間葉系細胞のマーカーであるvimentinの発現が認められた。p75NTRは全てのOSCC細胞株で発現が認められた。
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Research Products
(4 results)