2010 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌におけるSP細胞をターゲットとした分子標的治療に関する基礎的研究
Project/Area Number |
20791534
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
柳本 惣市 長崎大学, 病院, 講師 (10315260)
|
Keywords | 癌幹細胞 / SP細胞 / 口腔癌 |
Research Abstract |
癌細胞集団の中にあって細胞個々に特性が異なる背景には,その中に存在するごく少数の癌幹細胞が関与しているとされている。また癌幹細胞は他の腫瘍細胞と比較して,自己複製能,多分化能と腫瘍形成,維持能が高く抗癌薬および放射線に抵抗性を有しているとされている。さらに抗癌薬や放射線治療によって腫瘍が消失しても,治療後に再発あるいは転移を起こす原因は,組織内に取り残された癌幹細胞と考えられている。 ヒト舌癌細胞SCC25を用いて,基本培地にbasic FGF,EGFおよびN2 supplementの各種増殖因子を加えた無血清培地で,約2週間培養行い,細胞形態を観察した後,スフェロイドを分離し,mRNAを抽出,癌幹細胞マーカーについてRT-PCRで解析した。RNAを抽出し癌幹細胞マーカーとされるABCG2,Oct-4およびEpCAMのmRNA発現をRT-PCRで解析した。また5-FU感受性および増殖能をMTT法で評価した。 無血清培地を用いた幹細胞培養環境では,スフェロイドを形成し,癌幹細胞マーカーを検索したところ,FACSを用いたSP解析でソーティングして得られた細胞と同様に,すべてのマーカーで発現が増強していることが確認された。IC50での5-FU感受性は非SP細胞と比較してSP細胞で明らかに抵抗性を示した。 ヒト舌癌細胞SCC25から癌幹細胞を含むSP細胞分画が分離可能であり,分離されたスフェロイドは,癌幹細胞の特性を有していた。さらにこの細胞集団特有の分子を解析および標的することが,効率的ながん治療に有用であると考えられた。以上の結果を国際誌に投稿中である.
|
-
[Journal Article] RNAi-mediated down-regulation of alpha-actinin-4 decreases invasion potential in oral squamous cell carcinoma2010
Author(s)
Yamada, S., Yanamoto, S., Yoshida, H., Yoshitomi, I., Kawasaki, G., Mizuno, A., Nemoto, TK.
-
Journal Title
International Journal of Oral and Maxillofacial Surgery
Volume: 39
Pages: 61-67
Peer Reviewed
-