2008 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌における低酸素環境による薬剤耐性機序の解析と新規効果予測マーカーの確立
Project/Area Number |
20791546
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
内田 真紀子 Showa University, 歯学部, 助教 (20453631)
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Keywords | ヒト口腔扁平上皮癌細胞 / HIF-1α / 5-FU / 低酸素環境 / 分子標的治療 |
Research Abstract |
平成20年度の研究結果から以下のことが明らかとなった (1)、ヒト口腔扁平上皮癌における低酸素誘導転写因子HIF-1αの発現の解析 : RealtimePCR法ならびにWestern blottingにてHS,HRにおける低酸素誘導転写因子HIF-1αのmRNA発現ならびにタンパク発現レベルを検索し、定量比較した。HSにおいては、HIF-1αの発現はReal timePCR法ならびにWestern blottingでの発現は認められなかった。一方HRにおいて、HIF-1αの発現はReal time PCR法ならびにWestern blottingで発現は認められた。 (2)、ヒト口腔扁平上皮癌組織におけるHIF-1αの発現解析 : 倫理委員会の規約*に基づき、口腔扁平上皮癌患者の切除検体におけるHIF遺伝子の発現をin situ hybridization法により解析した。30症例以上の口腔扁平上皮癌を対象とし、5-FUが奏功しなかった症例については、HIF-1αの発現がin situ hybridization法で確認できた。5-FUが奏功した症例においては、HIF-1αの発現はin situ hybridization法で確認できなかった。 (3)、ヒト口腔扁平上皮癌細胞における低酸素による細胞周期に対する影響の解析 : 細胞周期解析を行い、HS,HRにおける細胞周期に対する低酸素の影響を検討した。HSではG1期での細胞周期停滞が確認できた。 (4)、ヒト口腔扁平上皮癌細胞におけるmR遺伝子の発現、P-glycoproteinの発現の解析 : Real timePCR法ならびにWestern blottingにてHS, HRにおけるP-glycoproteinのタンパク発現レベルを検索し、定量比較した。HRにおいてはP-glycoproteinの発現か確認できたが、HSにおいては確認ができなかった。
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