2009 Fiscal Year Annual Research Report
がん細胞の遺伝子治療におけるDel1およびFasLの影響
Project/Area Number |
20791551
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
北野 尚孝 Nihon University, 医学部, 専修医 (50424726)
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Keywords | 癌 / 遺伝子 / 蛋白質 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
昨年度、RT-PCRで作製したFasLのcDNAをpcDNA3.1D/V5-His-TOPOに組み込んでpFasLを作製した。次に、Del1のcDNAから、第三EGFドメインと第一discoidinドメインをコードする配列をPCRで増幅し、これをpFasLのFasLのC末端に組み込み、pFasL/pE3D1を作製した。培養4日の口腔扁平上皮癌細胞株(SCCKN)にpFasL/pE3D1およびpFasLをそれぞれ遺伝子導入した。その後、48時間後に培養液中のLDHの量を検討すると行うとpFasLを遺伝子導入した細胞よりも、pFasL/pE3D1を遺伝子導入した細胞のほうがアポトーシスをより誘導することが明らかになった。また、pFasL/pE3D1およびpFasLをそれぞれ遺伝子導入し、72時間後にAP-tag-4を遺伝子導入し、さらに24時間後に培養上清中のAP活性を検討した。pFasL/pE3D1を遺伝子導入したほうが2回目のAP-tag-4の遺伝子導入率が亢進していた。つまり、Del1によってFasL蛋白が細胞外基質に濃縮され、その蛋白が有効にアポトーシスを起こし、さらに2回目の遺伝子導入効率を向上させることが確認された。Del1のEGF3ドメインおよび沈着ドメインが、種々の生理活性物質をその機能を損なうことなく、組織に濃縮できることが示され、今後は、様々な遺伝子療法への応用が期待される。 以上の結果を踏まえ、今後は研究実施計画に従い、生体内での効果について、検討を加える予定である。
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