2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791556
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
内橋 隆行 Matsumoto Dental University, 歯学部, 助教 (70397628)
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Keywords | 骨形成 / ポリリン酸 / 内軟骨性骨化 |
Research Abstract |
申請者は、骨形成や基質の石灰化におけるリン代謝機構を研究し、ポリリン酸が石灰化におけるリン酸の供給源となること、さらにポリリン酸が骨芽細胞によって加水分解されることを見出した(J Dent Res. 86 (9): 893-7, 2007)。 しかし、哺乳動物におけるポリリン酸分解酵素(ポリリン酸ホスファターゼ)は未だ同定されておらず、骨形成におけるリン代謝の研究にはポリリン酸ホスファターゼの同定が必要である。そこで、本研究では、ポリリン酸をピロリン酸、オルソリン酸に変化させるポリリン酸ホスファターゼの同定、クローニングを行い、その機能を解析することを目的とした。In vitroマウス内軟骨性骨化モデルATDC5を用い、ポリリン酸を作用させたところ、アルシアンブルー陽性軟骨基質の形成亢進や2型、10型コラーゲンの発現が対象群より早期にみられるなど、軟骨形成が促進されることを示唆する結果を得た。一方、石灰化については、陽性コントロールとして用いたβ-グリセロリン酸添加群と比較して石灰化傾向が低かった。原因を検討したとこと、培養上清中の細胞外リン酸濃度は一様に上昇するのに対し、ポリリン酸添加群ではピロリン酸の濃度が高く、石灰化抑制作用が同時に働くことが考えられた。細胞外リン酸、ピロリン酸濃度の上昇にはポリリン酸ホスファターゼんの関与が考えられる。その活性測定が次の課題である。
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