2009 Fiscal Year Annual Research Report
頭蓋顎顔面の形態形成における転写因子TWIST1の役割に関する研究
Project/Area Number |
20791567
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大隈 瑞恵 Tokyo Medical and Dental University, 歯学部附属病院, 医員 (60456209)
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Keywords | TWIST1 / 上皮間葉移行 / 間葉系細胞 |
Research Abstract |
TWIST1は「上皮間葉移行」において重要な役割を果たすとともに、間葉系細胞の分化を抑制し、TWIST1の発現が間葉系細胞の特性の維持に関与する可能性が示唆されている。これまでの研究の中で、TWIST1プロモーターに存在する28bpの領域に間葉系細胞におけるTWIST1の発現に重要な役割を有する配列が含まれることを示してきた。また最近、他のグループから、低酸素により活性化され上皮間葉移行を誘導することで知られるhypoxia inducible factor-1α (HIF-1α)がTWIST1プロモーターに直接結合し活性化するとの報告がされたが、その結合サイトも本配列内に存在しているなど、本領域の重要性は高いと考えられる。しかしながら、HIFの関与のみで間葉系細胞におけるTWIST1の発現を説明することは難しく、間葉系細胞におけるTWIST1発現の制御機構についてはさらなる検討を必要とする。本年度の成果として、この領域に見られるその他の転写因子結合の候補配列について、数種類の間葉系細胞株を用いたクロマチン免疫沈降法を行い検討した結果、CREB/ATFファミリー転写因子の結合が明らかとなり、現在これらによる転写制御の詳細を検討している。また一方で、TWIST1と相互作用し間葉系細胞の特性に関与しうる因子の同定を目的として、TWIST1のN末端およびHLHドメインのアミノ酸配列をbaitとしたYeast Two Hybrid Screeningを行い解析した。その結果、N末端、HLHドメインのそれぞれに結合する候補因子として、異なる種類のユビキチン関連酵素を同定した。今後、これらの候補因子との相互作用についての詳細な検討が必要である。
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