2009 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織における加齢メカニズムの解明と抗加齢医療への試み
Project/Area Number |
20791578
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田中 伸明 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90397969)
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Keywords | 歯肉線維芽細胞 / 宿主年齢 / ヒアルロン酸 / b-FGF / 感受性 |
Research Abstract |
H20年度では、創傷部にbFGFを注入することにより治癒が促進され、それにはアポトーシス反応が関与していることが明らかとなった。また、年齢の違いによりアポトーシス活性による治癒促進能力は違いがあることが分かった。一方、加齢により歯肉組織を構成するヒアルロン酸(HA)の低分子化がおこることが知られている。本年度では、宿主年齢の異なる歯肉由来線維芽細胞を用いて、bFGFあるいは分子量の異なるHAによる細胞代謝およびアポトーシス誘導能の検討を行うとともに、その相加効果についても検討を行った。 (1) HAの分子量の違いがアポトーシス活性に及ぼす影響について 若年または成人の歯肉から歯肉由来線維芽細胞を単離、培養する。コンフルエント後、HAの分子量がアポトーシス活性に及ぼす影響を検討するため、HAoligo、高分子量HA、HA分解酵素を添加し、アポトーシス活性に対する影響について検討を行った。その結果、高分子量HA、HA分解酵素添加によりアポトーシス活性の変化は認められなかったが、HAoligoの添加により成人と比較し若年者において有意に大きい値が認められた。また、bFGF添加によりアポトーシス活性の有意な亢進が認められた。 (2) bFGFのアポトーシス活性に対する分子量の異なるHAの相加効果について 若年または成人の歯肉線維芽細胞を培養、コンフルエントに達した後、HAoligo、高分子量HA、HA分解酵素により12時間前処置後洗浄を行い、bFGFを添加した。その結果、HAoligo前処置を行うことにより、bFGFのアポトーシス活性を相加的に亢進させたが、高分子量HA、HA分解酵素の前処置では変化は認められなかった。以上のことより、HAoligoはアポトーシス誘導能を有することが明らかとなり、bFGFと併用することにより相加的効果があることが分かった。
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Research Products
(3 results)