2008 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節におけるRANKL/Fasシグナルクロストークによる骨・軟骨破壊の制御
Project/Area Number |
20791579
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
井澤 俊 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (30380017)
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Keywords | 関節リウマチ / RANKL / Fas / 樹状細胞 / 破骨細胞 / MRL / lpr / Bcl-2 / アポトーシス |
Research Abstract |
関節リウマチ(RA)は顎関節を含む全身の関節における骨破壊を主徴とする炎症性疾患であるが、その病態形成機構については不明な点が多い。本研究ではRA自然発症モデルFas欠損MRL/lprマウスの樹状細胞(DC)の機能を詳細に解析するとともに、DC活性化因子であるRANKLシグナルを介したDCの活性化機構を明らかとすることを目的とした。さらに、MRL/lprマウスにRANKL刺激DCを移入することによる関節病変への影響についても検討した。IL-4, GM-CSFにてマウス骨髄細胞からDCを誘導し、RANKL刺激によるDC表面上の各種マーカー(MHC ClassII, CD86, CD80)、細胞内のシグナル分子、および各種サイトカイン産生能について検討した。また、MRL/lprマウスに蛍光標識したDCを移入後、経時的に各臓器への移入DCの集積状況の解析や膝関節および顎関節の病理組織学的検索を行った。MRL/lprマウスDCをRANKLで刺激するとDC活性化の指標であるMHC ClassII, CD86, およびCD80発現の亢進がみられ、抗アポトーシス分子(Bcl-2, Bcl-xL)の発現とNF-κB(p 65, p 50)活性が亢進された。さらに、RANKL刺激DCをMRL/lprマウスに移入すると骨破壊を伴うRA病変の増悪が観察された。MRL/lprマウスのRA病態形成にDCの機能異常が重要な役割〓果たしていることに加え、DCの末梢での維持機構にRANKLおよびFasシグナルのクロストークが関与〓ていることが示唆された。
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