2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791580
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
阿部 洋子 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (00325268)
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Keywords | 歯の大きさ / 遺伝 |
Research Abstract |
本研究費の補助により念願のサーマルサイクラーを一台追加することができた。既に設置していた機種が増設可能な機種であったことから、実験の誤差などに苦慮することなく、使用方法も明確であった。これにより新しいプライマーを使用した遺伝子型の解析にはF_2サンプルを2回にわけて行うことが可能となったため、高価な試薬消費の無駄を削減できることになった。また遺伝子型判定の正確性向上のためには再実験を行う必要性もあることから、サンプル数が少ない場合には一台ずつ別々のプライマーを用いた実験が同時に行えるようになった。 顎骨の計測点は文献を参考に、上顎長径、下顎長径・高径・厚径とし、歯の大きさが異なる2つの近交系ラットとそれらを正逆交配した群の顎骨を抽出し、高性能デジタルノギスで計測した。その結果、歯が大きい系統の下顎長径・高径・厚径は歯が小さい系統の下顎骨に比べて統計的に有意に大きかった。しかし、マウスを用いた文献で報告されていた遺伝的決定要素が強いと言われる上顎長径では本研究対象のラット間に系統差を認めなかった。また正逆交配したF_1群の計測結果より、顎が大きい形質が優性的に遺伝する傾向が示された。上顎長径および下顎長径では歯が大きい近交系同士を交配した群よりも、母親に歯が大きい系統、父親に歯が小さい系統を交配した群が有意に大きかった。以上のことから歯の大きさ同様、顎の大きさも遺伝的要因が強いことが示されたため、今後はF_2ラットの顎骨を抽出し、顎骨の計測データを表現型として連鎖解析を行う予定である。
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