2010 Fiscal Year Annual Research Report
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20791580
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
阿部 洋子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (00325268)
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Keywords | 歯の大きさ / 遺伝 |
Research Abstract |
本研究は小児歯科臨床における咬合誘導の治療計画立案の際に行われる歯列分析の精確性に寄与することを目的として、歯の大きさと顎の大きさの遺伝様式の比較検討および相互関連性について探求するものである。 歯の大きさが異なる2系統のラットは、35日齢時の下顎骨長径、高径および厚径においても系統差を認め、大きな歯をもつ系統の下顎骨は小さな歯をもつ系統の下顎骨よりも大きいことが示された。また、正逆交配を行ったF1では、母親が大きい系統+父親が小さい系統群が、母親が小さい系統+父親が大きい系統群よりも下顎骨長径と高径では大きい傾向を示し、下顎骨厚径では統計学的に有意に大きかった。 歯と顎の大きさの相関関係を調べた結果、歯と下顎が小さい系統では上下臼歯の大きさと上下顎の大きさに相関関係を認めた。一方歯と下顎が大きい系統では、上顎第一臼歯が上下顎の大きさと相関関係を示さなかった。F1では、母親が大きい系統+父親が小さい系統群で上下臼歯の大きさと上下顎の大きさに相関関係を認めた。しかし母親が小さい系統+父親が大きい系統では、下顎第一臼歯が上下顎の大きさと相関関係を示さなかった。ラット35日齢では歯冠は完成しているが、顎骨は成長期にあるため、歯よりも顎骨の方が環境要因(本研究では体重)の影響をうける期間が長いと考えられた。歯と下顎が小さい系統の14日体重を除いて、すべての系統と群で上下顎骨は14、21、28、35日体重との強い相関関係を示した。
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