2008 Fiscal Year Annual Research Report
メカニカルストレスによる歯周組織から誘導されるヒト歯根吸収抑制因子の解析
Project/Area Number |
20791587
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
岡山 三紀 Health Sciences University of Hokkaido, 歯学部, 助教 (30382500)
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Keywords | メカニカルストレス / 歯の移動 / 歯周組織 / 歯根膜細胞 |
Research Abstract |
【目的】 歯科矯正における歯の移動は、圧迫、牽引に伴う力学的負荷(メカニカルストレス)によって起き、圧迫側では骨吸収が、牽引側では骨形成が起きる。しかし、その正確なメカニズムは明らかではない。最近の研究によると、歯周組織に存在する細胞がメカニカルストレスを感知し、何らかのシグナルを骨関連細胞に送っているのではないかと考えられるようになってきた。本研究では、メカニカルストレスによりヒト歯根膜細胞に生じるシグナルを同定・単離し、その機能を解析することを目的とした。 【試料および方法】 矯正治療のため抜去した小臼歯からヒト歯根膜細胞を分離し使用した。分離したヒト歯根膜細胞を伸展および圧縮可能なシリコンチャンバーにて培養後(3~7継代)、CO2インキュベーター内にて10%の伸展・圧縮力を負荷した。伸展・圧縮力を負荷後、ヒト歯根膜細胞からISOGEN reagentを用いてtotal RNAを抽出した。次にRT-PCR法によって、伸展・圧縮力に誘導される遺伝子群を骨関連遺伝子に絞って、配列特異的プライマーを用いて解析した。さらに、誘導が確認された遺伝子の発現量を定量するために、配列特異的プライマーとTaqman Probeを用いて、mRNA発現の定量を行った。 【結果および考察】 伸展負荷においては、負荷3時間でCOX-2とIGF-1が著しく誘導され、controlと比較してmRNA発現が16倍に増加した。また、圧迫負荷では5時間でIGF-1のmRNA発現量が4倍に増加した。 【結論】 ヒト歯根膜細胞はメカニカルストレスに応答して、IGF-1およびCOX-2を誘導した。
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Research Products
(4 results)