2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791607
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岩崎 剣吾 Tokyo Medical and Dental University, 歯学部・附属病院, 医員 (40401351)
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Keywords | 歯周組織再生 / 歯周病 / エナメル蛋白 |
Research Abstract |
現在、日本において歯を失う最大の原因となっている歯周病の新規治療戦略を目標に、我々が見出したエナメル蛋白質であるアメロティンの機能解析を検討する事が本研究の目的である。まず、マウスアメロティンcDNAをTOPOベクターにクローニングし発現ベクターの構築を行った。シークエンスにより発現ベクターの確認後、マウス骨芽細胞株MC3T3-E1細胞に遺伝子導入を行い、同時にアスコルビン酸、beta-グリセロリン酸、dexamethasone存在下で骨芽細胞の分化を誘導した。MC3T3-E1は約2週間で石灰化結節を形成し、硬組織形成細胞へと文化したが、この際、アメロティンを遺伝子導入した細胞群では石灰化結節の形成が促進されている結果を得た。また、カルシウムの沈着量においても増強が見られた。細胞外タンパク質であるアメロティンが石灰化結節の形成を促進するメカニズムを検討するために、アメロティンの石灰化結節への結合の検討を免疫電顕を用いて行った。現在、研究が進行中であるがアメロティンがカルシウムへの結合を示す傾向が一部得られている。今後、アメロティンと細胞外マトリクスとの結合、動物実験におけるアメロティンの歯周組織再生能力の検討を予定している。アメロティンが骨芽細胞の分化を促進するという結果は、臨床的に骨を誘導する物質として利用できる可能性を示している。さらにそのメカニズムを解明することができれば、より効率的な臨床への応用、あるいは新たな再生療法開発の手がかりになるものと期待できる。
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