2009 Fiscal Year Annual Research Report
歯肉増殖症の歯肉におけるMMPs/TIMPsのバランス
Project/Area Number |
20791609
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中曽根 直弘 Niigata University, 医歯学総合病院, 医員 (20447634)
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Keywords | 歯肉増殖症 / Tissue inhibitors of metalloproteinases (TIMPs) / metalloproteinases(MMP) / 歯周炎 / calcium-channel blocker |
Research Abstract |
「具体的内容」 歯肉増殖症患者10名、歯周炎患者10名より歯周外科時に歯肉サンプルを採取した。Tissue inhibitor of metalloproteinases (TIMP)-3、TIMP-4遺伝子発現は採取歯肉よりRNAを抽出し、RT-PCRにより解析した。TIMP-3、TIMP-4タンパク質局在は、パラフィン切片作製後免疫染色により解析し、発現組織、発現細胞を同定した。またTIMP-3、TIMP-4遺伝子発現量については統計解析まで行った。これらの結果を論文にまとめ、歯科の国際雑誌であるArchives of Oral Biologyに投稿し受理、発刊された。 「意義」 歯肉増殖症歯肉において、TIMPsの遺伝子発現およびタンパク質局在を示した報告はTIMP-1を除いてまだない。したがって本研究がもたらす結果は、歯肉増殖症分野において、TIMP-3、TIMP-4の遺伝子発現、タンパク質局在の初めての報告となる。また歯周炎歯肉において、TIMP-3、TIMP-4のタンパク質局在を示した報告もまだないので、歯周炎分野においても意義ある報告となる。 「重要性」 歯周病は結合組織性付着の破壊を伴う疾患である。metalloproteinases (MMPs)は結合組織を破壊し、TIMPsはMMPsを抑制する。今年度はTIMPs発現を中心に研究を行ってきたが、今後はMMPsの遺伝子発現、タンパク質局在を併せて観察し、MMPsとTIMPsのバランスについて解析していく。本研究では破壊性疾患の歯周炎と増殖性疾患の歯肉増殖症歯肉において、MMPsとTIMPsの遺伝子発現とタンパク質局在を観察することにより、歯周炎および歯肉増殖症の病態解明に繋がることが期待される。
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