2008 Fiscal Year Annual Research Report
プリンヌクレオシドによる新規歯槽骨代謝制御機構のin vivo解析
Project/Area Number |
20791611
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹立 匡秀 Osaka University, 歯学部・附属病院, 医員 (60452447)
|
Keywords | 骨代謝 / アデノシン / CD73 / ノックアウトマウス / 骨芽細胞 |
Research Abstract |
本研究課題では、プリンヌクレオシドの一つであるアデノシン、(Ado)に着目し、骨代謝制御機構における役割について解析をすすめている。平成20年度の研究成果について下記に報告する。 まず、骨芽細胞分化過程におけるAdoの濃度調節因子およびアデノシンレセプター(AdoR)の発現を解析した。マウス前骨芽細胞株MC3T3-E1、を石灰化誘導培地にて培養し、経時的にRNAを採取、Ado産生酵素であるCD73、Ado代謝に関与するアデノシンデアミナーゼ(ADA)及びアデノシンキナーゼ(AK)の両酵素、さらにはAdoRの遺伝子発現を解析した。その結果、CD73、A2aおよびA2bサブタイプAdoRは分化に伴い発現が上昇することが明らかとなった。一方で、ADAならびにAKは分化誘導初期に発現上昇を認めたが、後期にかけて抑制された。これらの結果は骨芽細胞分化誘導に伴い、内因性Adoのシグナルが増強されている可能性を示唆している。さらに内因性Ado産生に関与するCD73分子のin vivoにおける骨代謝への関与を明らかにするために、CD73ノックアウトマウス(以下CD73KO)の骨組織における表現型を解析した。まず、CD73KO及び野生型コントロールマウスから大腿骨、脛骨を採取し、μCT及びpQCTを用いて骨量の解析を行なった。その結果、CD73KOは野生型マウスに比べ、海綿骨、皮質骨において骨量が減少していることが明らかとなった。さらに頭蓋骨からRNAを採取し、骨芽細胞分化マーカーである骨シアロタンパク、オステオポンチン、オステオカルシンの遺伝子発現を解析したところ、CD73KO由来頭蓋骨では野生型に比べ、これら遺伝子発現が有意に低下していることが明らかとなった。 以上の結果からCD73分子によって産生された内因性Adoが骨形成において重要な役割を担っていることが示唆された。
|
Research Products
(1 results)