2008 Fiscal Year Annual Research Report
オステオプロテジェリンを用いた歯周病の薬物療法の開発
Project/Area Number |
20791615
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
美原 智恵 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (70403748)
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Keywords | 歯学 / 歯周病 / オステオプロテジェリン |
Research Abstract |
歯周治療はプラークや歯石などの機械的除去が主体であり、薬物療法は急性炎症に対する対症療法に限られる場合が多い。現在、歯周組織の細胞に直接作用させ歯周疾患の進行を抑制するような薬物療法は行われていない。そこで、破骨細胞の分化および活性を制御しているRANKL/RANKシグナリングにおけるRNKLのデコイレセプターであるオステオプロテジェリン(OPG)に注目し、歯周治療における新たな薬物療法の開発を目的とすべく、実験的歯周炎モデルラットにおけるOPGの歯槽骨吸収抑制効果について検討を行った。ラットに実験的歯周炎を惹起させ、非結紮群(非結紮・生理食塩水投与)、対照群(結紮・生理食塩水投与)、OPG群(結紮・OPG投与)の3群に分け、1日おきに口蓋側歯肉に各種溶液を局所投与した。投与開始から5日目および14日目に各群の上顎骨を採取し、マイクロCTを用いて上顎骨の3次元画像を構築し、第二臼歯部歯槽骨口蓋側の歯槽高径を計測した。その後、脱灰薄切切片を作成し、TRAP染色を行い、第二臼歯口蓋側歯槽骨に認められた破骨細胞数を計測した。その結果、マイクロCT解析において非結紮群で歯槽骨吸収が認められなかったのに対し、対照群およびOPG投与群ともに歯槽骨吸収が惹起されていたが、OPG投与群における歯槽骨吸収量は結紮した対照群と比較して有意に少なかった。TRAP染色の結果、対照群およびOPG投与群の歯槽骨においてTRAP陽性破骨細胞が5日目で観察された。また、破骨細胞の数は対照群と比較してOPG投与群において有意に少なかった。OPGやRANKLは歯周病の進行により歯肉溝浸出液中の濃度が変化することが知られており、歯周炎における歯槽骨吸収に深く関与していることが示唆されている。今回の結果から、歯周炎における歯槽骨吸収の抑制に対してOPGの局所投与が有効である可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)