2008 Fiscal Year Annual Research Report
閉経後女性における歯肉溝滲出液中のサイトカインプロファイル
Project/Area Number |
20791626
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
山本 弦太 Aichi Gakuin University, 歯学部, 講師 (30421241)
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Keywords | 歯周病 / 骨粗鬆症 / 閉経後女性 / 炎症性サイトカイン / エストロゲン / ビスフォスフォネート製剤 / Periodontal Medicine |
Research Abstract |
愛知学院大学歯学部附属病院歯周病科を受診し、歯周基本治療により辺縁歯肉の炎症がコントロールされ、本研究の主旨に同意の得られた者で、骨密度に影響を及ぼす疾患をもたない閉経後女性20名と閉経前女性20名より歯肉溝滲出液(GCF)採取および採血を行った。血液検査では, 閉経後女性においてエストロゲンの欠乏が認められた以外, 卵胞刺激ホルモンや骨代謝マーカー(血清型NTx, 骨型ALP)に差異は認められなかった. 一方, 歯肉溝滲出液サンプルを用い, サイトカインアレイによる解析を行ったところ, 一部炎症性サイトカインとケモカインの産生が高い傾向が認められた. 以前の報告と同様にエストロゲンの欠乏が炎症性サイトカインの産生に影響を及ぼしていることが示唆された. しかしながら, GCFサンプルが微量なため, 同一サンプルによるELISAによる定量が困難であり, 実験方法の変更が必要と考えた. そこで, 少量のサンプルで複数のサイトカインを検出および定量できる実験方法として, 新たにQ-Plex^<TM>Human Cytokineを用いることとした. また本研究において, 閉経後女性の中には骨粗鬆症患者も含まれており, 治療の有無, 薬剤別での検討も必要であると考えた. 特にビスフォスフォネート製剤が歯周局所に及ぼす影響については検討が必要なため今後, さらに閉経後女性のサンプル(特にビスフォスフォネート服用患者サンプル)を増やし, 詳細に検討する予定である.
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