2009 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病ラットモデルにおける歯周組織の骨吸収因子発現の検討
Project/Area Number |
20791629
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
菊池 毅 Aichi Gakuin University, 歯学部, 講師 (40421242)
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Keywords | 歯周病 / 糖尿病 / Periodontal Medicine |
Research Abstract |
生活習慣病の一つである糖尿病と歯周病との関係は,相互に影響を及ぼすと考えられている.しかし,両疾患の関与機序の関する詳細なメカニズムは,未だ不明である.今回、我々はZucker Diabetic Fatty Rat (ZDF)を用いて,実験的歯周炎を惹起させた歯肉における網羅的な遺伝子発現解析を行い,その候補となる因子の同定を目的とした.昨年度の結果より,両群ともに実験的歯周炎惹起0,28,42,56日後の歯槽骨の変化を経時的にμCTにて観察した結果,ZDF群でコントロール群と比較し,骨吸収量が多く重篤な歯周炎が認められた.また,実験的歯周炎惹起2日後の歯肉において,ZDF群でコントロール群に比較しLBPの遺伝子発現が有意に高かった. 今年度は,実験的歯周炎惹起7日後の歯肉において,マイクロアレイにて網羅的遺伝子解析を行い,ZDF群でコントロール群に比較し2倍以上の発現差が認められる既知遺伝子は74遺伝子,0.5倍以下の発現差が認められる既知遺伝子は32遺伝子だった.そのなかでIL-24に着目し,Th1/Th2バランスに関与する他のサイトカインも含めReal-time PCR法で解析を行った。ZDF群でコントロール群に比較し,IL-10とIL-24が有意に低い発現差を認めた.一方,IL-2は有意に高い発現差を認め,IFN-g及びIL-12についても発現差の高い傾向を認めた. 本研究の結果より,糖尿病疾患モデルラットにおいて,LBP遺伝子発現の増加により,歯周病関連細菌菌体成分であるLPSの感受性が亢進している可能性が示唆された.またTh2反応の減弱により,歯周組織の防御機構が低下している可能性が示唆された.
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