2008 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織におけるFDC-SPとスタセリン遺伝子およびタンパク発現に関する研究
Project/Area Number |
20791630
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
横井 隆政 Matsumoto Dental University, 歯学部, 助教 (40469010)
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Keywords | 歯周治療系歯学 / 抗菌ペプチド |
Research Abstract |
歯根膜は歯を歯槽骨内に支持するだけでなく, 歯周組織の再生に関与していることが代表的な歯周外科治療の一つである組織再生誘導法の開発の過程で明らかとなってきた. したがって, 歯根膜の増殖や分化のメカニズムを探ることは, 歯周治療すなわち歯の延命に非常に重要であると思われる。Nakamuraらはヒトの歯根膜組織と, その歯根膜をin vitroで培養することにより脱分化させた線維芽細胞で発現している遺伝子群をサプトラクション法により比較したところ, 免疫応答に関与するFDC-SPが, 歯根膜組織に特異的に発現していることを明らかにした. しかし, ヒト歯根膜での局在およびその機能的役割については不明である. したがって, 歯周病の発症と進行が宿主の局所免疫応答の違いに関与している可能性があるということから考えると, 歯周組織でのFDC-SP発現を調べることは, 非常に意義深いと考えられるため今回の研究課題を着想した. 現在, GCFサンプルからmRNAを回収してRT-PCRでスタセリンの発現を確認している. しかし, 検出感度が低いため, タンパクの発現が観察できないため, 一次抗体の精製を試みているところである. また、ヒトの歯を含む組織サンプルにおいて凍結切片を作成しているが, 未固定非脱灰凍結切片の作成がサンプル数も少なく困難を極めており, 現在サンプルを集めているところである. その後, in situ hybridizationおよび免疫染色を行っていく予定である. スタセリンに関しては, これまでに口腔細菌の発育阻止濃度を検討する研究が行われており, 歯周病関連細菌であるA. actinomycetemcomtansやP. gingivalisを用いてFDC-SPに関しても検討し, スタセリンと同様の効果があるかどうか調べていく予定である.
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