2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791631
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
後藤 申江 Tohoku University, 病院, 助教 (50396503)
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Keywords | 視覚情報認知 / 自閉症 / 脳機能 / 適応 |
Research Abstract |
歯科診療に困難を極める自閉症者に対し、自閉症の疾患特性を利用した視覚的支援による情報伝達を応用することにより、その適応が得られやすい状況がある。本研究はその有効性を客観的に評価するため、自閉症者の脳機能評価という手法を用いた。 まず、研究実施計画に基づき、対象者とコントロール群である健常者の全身既往歴や特性、また自閉症者の保護者の歯科診療に対する考え等、対象者の背景把握のため、事前プロトコールを検討、作成し、現在実施中である。 次に、光脳機能イメージング装置を用いての脳機能計測について、健常対象者においては、設定課題のなかで、口頭での説明による内容提示が、視覚のみの内容提示よりも脳機能学的には情報整理されている傾向がみうけられるが、今後のさらなる検討ならびに分析を要すると考えられる。 また、自閉症対象者は特に新しい事柄に対する抵抗が強いため、事前に実験装置や環境に関する情報を与えることが研究の遂行には必要である、実験遂行予定日前に、脳機能測定装置を見る、装置をしてみるような機会を設け、恐怖感等の他の感情的要素などを排除するような準備段階を設け、現在実施中である。 今年度の実施計画が順次遂行され実験手法が確立が可能となったことから、次年度の研究実施についても予定計画に今年度の検討を加え速やかな実施を望むことができると考えている。 今後、この研究手法を用い、自閉症者群と健常者群とのデータの解析から、おのおのの脳機能を客観的に評価することで、歯科的環境のみならず、広く社会生活における自閉症者により有効な情報伝達方法の確立に寄与すると考えられる。
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