2008 Fiscal Year Annual Research Report
口腔内環境因子・多菌種間相互作用がもたらす口臭物質産生促進メカニズムの解明
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20791632
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鷲尾 純平 Tohoku University, 大学院・歯学研究科, 助教 (20400260)
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Keywords | 口臭 / 口腔細菌 / システイン / 代謝 / 硫化水素 |
Research Abstract |
口臭の主な原因は口腔細菌の代謝産物によるものが大部分であると考えられるが、中でも口腔VeillonellaおよびActinomyces属が口臭発生部位である舌苔中の硫化水素産生菌のうち多くをしめることを報告してきた(Washio J et al., 2005)。 これらの細菌は口腔常在細菌の一つであり、また硫化水素産生活性を持つことが知られているため、特に口腔疾患を持たないような健常者の口腔内においてH_2Sを産生することで口臭の一因を担うと考えられるが、実際口腔内においてどのような基質から硫化水素を出しているかといった詳細な検討はなされていなかった。そこで、口腔内によくいると考えられているVeillonella属3菌種・Actinomyces属3菌種の標準株を用い、実際にシステインなどのアミノ酸、システインを含有する短鎖ペプチド、トリプトンなどのタンパク質などを基質としてあたえ、硫化水素産生活性を調べたところ、いずれの菌もシステイン、システイン含有ペプチドからはよく硫化水素を産生し、タンパク質やメチオニンは、硫化水素産生の基質としては利用されないもしくはされにくいことがわかった。また、これまでの研究で環境因子の影響により代謝活性が影響を受ける可能性が示唆されてきたことから、現在、この産生に対しても環境因子の影響や菌種間の相互作用などがあるかについて、検討を始めているところである。
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