2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791645
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
石川 健太郎 Showa University, 歯学部, 助教 (80453629)
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Keywords | 重心動揺 / 摂食・嚥下機能 |
Research Abstract |
【緒言】摂食機能療法における食環境指導の大きな柱であるの一つである姿勢に関して、超音波画像診断装置および小型圧センサを用いた総合的な解析から、体幹の安定性が摂食・嚥下機能へ与える影響を明らかにすることを目的とした。【対象と方法】顎口腔系に異常を認めない健康成人で本研究の参加に同意の得られた5名(男性3名、女性2名、平均年齢29±2,2歳)とした。測定姿勢は初年度と同様に躯幹座位および端座位とした。それぞれの姿勢において冷水3mlを嚥下した時の舌動態と口盍部舌圧を同期させて測定した。舌動態の測定には超音波診断装置(sonosite182II、ソノサイト社製)を、口蓋部舌圧の測定には小型圧カセンサ(PS-2KC、共和電業社製)を埋め込んだ専用の測定用マウスピースを用いて測定した。統計学的解析にはノンパラメトリック検定を用い、危険度5%を有意水準とした。【結果と考察】(1)口蓋部での最大下圧において、前方部および中央部では5名中3名が、端座位と比較して躯幹座位において高い値を示した。後方部では5名中2名が端座位と比較して躯幹座位において高い値を示した。舌口蓋総接触時間においては、5名中2名が端座位と比較して躯幹座位において高い値を示した嚥下動作中における口蓋部舌圧の積分値について、前方部および中央部では5名中4名が躯幹座位と比較して端座位において高い値を示し、中央部では5名中4名が端座位と比較して躯幹座位において高い値を示した。統計学的な有意差は認めることはなかったものの、姿勢の変化と嚥下機能について、一定の傾向を知ることができた。以上の研究結果から、摂食訓練および摂食・嚥下障害を有する者に対する食環境指導においては、体幹の安定性が咀嚼や嚥下を中心とした摂食・嚥下機能に深く関与していることから、足底の接地を中心として十分に注意した指導や配慮が必要である可能性が示唆された。
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