2008 Fiscal Year Annual Research Report
法歯学的資料からのDNA多型による個人識別と人種推定のデータベースの作成
Project/Area Number |
20791646
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
丸山 澄 Tokyo Dental College, 歯学部, 助教 (30366190)
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Keywords | ミトコンドリアDNA / 個人識別 / 人種識別 / 系統分類 / STR多型 / マレー人 |
Research Abstract |
1. mtDNAの多型・系統検査 : 日本人211人、マレー人122人のmtDNA全領域16.569bpの塩基配列を決定し、日本人のより詳細な系統樹の作成を目指している。日本人については現在50サンプルの全塩基配列が決定しており、あと数ヶ所を残すのみのサンプルも多い。Coding領域における変異から新たなハプロタイプが認められ、より細分化された系統樹を作成しつつある。またマレー人については53サンプルの全塩基配列が決定しており、あと数ヶ所を残すのみのサンプルも多い。しかしマレー人サンプルにはDNAが変性しているため増幅が困難なサンプルも存在し、場合によってはDNA抽出からやり直さなければならない。マレー人にはM21, M22, N21, N22, R22, M*系統のようにマレー人特有の系統と東アジアと共有する系統から成り立っており、マレー人の系統はユーラシアにおけるヒトの移動に関する非常に重要な位置を占めているものと考えられた。現在、既に実際の鑑定においてこれらのデータを参考に人種の推定を行っている。 2. 常染色体STR多型検査 : マレー人110人における常染色体STR多型を求め、日本・韓国・中国・東南アジア地方のデータと比較しNeighbor-joiningtreeを作製したところ、マレー人は日本・韓国・中国などの東アジアとは遺伝学的に離れており、日本・韓国・中国系、マレー・インドネシア系、バングラディシュ系のクラスターに分かれ地域ごとの系統が認められた。常染色体上のSTRマーカーによる比較においてもallele分布に東アジア集団のそれぞれの特徴が表れていた。
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Research Products
(3 results)