2009 Fiscal Year Annual Research Report
易感染状態患者へ安全で満足な食を提供するために-補食の検討-
Project/Area Number |
20791664
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤井 宝恵 Hiroshima University, 大学院・保健学研究科, 助教 (50325164)
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Keywords | 感染 / 看護学 / 細菌 / 食事 |
Research Abstract |
【目的】易感染症患者では、"生食"禁止等の食事制限が行われる現状があることから、本研究は、より安全な食の提供の拡充を図ることが患者のQOL向上に貢献すると考え、生鮮果物喫食時の手洗い方法等の細菌学的な検討を行った。【結果・考察】1. 受入れ時の果皮には、10^1~10^5CFU/gの細菌が付着していたが、皮付きの果物では水洗により果皮の生菌数及びカビ・酵母は減少した。皮付き果物の果肉は無菌であった。皮の無いイチゴで、ハウス栽培された物では、受入時は10~10^3CFU/g程度の生菌数を示したが、水洗により0~10^2CFU/g程度まで除菌された、2. 手洗い方法について、石鹸手洗い後の手指の乾燥と消毒を行わないA法(以下、A)と手指の乾燥と消毒を行うB法(以下、B)を比較したところ、ベースライン(被験者の3日間の手指細菌数の平均)に比べ生菌数、黄色ブドウ球菌数はともに有意に減少した。AおよびB実施後にリンゴのカット・皮むきを行った「盛付」後の果肉は、AよりもBの方の生菌数が有意に少なかった(p=0.028)。「盛付」後の果肉からの黄色ブドウ球菌の検出は、手指付着細菌の果肉への移行が予測され、Bの方が「盛付」後の細菌数は少なく、手指乾燥と消毒剤による効果が考えられた。手指の乾燥および消毒を併用した手洗い後の手指による調理品は低細菌数で衛生的であった結果より、易感染症患者とその家族には、手洗い後に十分な手指乾燥を行い、濡れた手で果物の皮剥き等を行わないように指導すべきと考えた。果物に限らず、生食する食材を調理する前には、手指の乾燥を意識して調理を行うのがよいと思われた。3. 生鮮果物の除菌について、果皮の付着細菌は水洗により除去されるが、さらに次亜塩素酸ナトリウム等による消毒を組み合わせると除菌効果は上がった。
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