2008 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠障害を改善するための研究-ホットパック下肢温罨法を用いて-
Project/Area Number |
20791669
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Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
大島 千佳 Ishikawa Prefectural Nursing University, 看護大学, 助教 (30405063)
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Keywords | 睡眠 / 高齢者 / 深部体温 / 温罨法 / メラトニン / アクチグラム |
Research Abstract |
本研究では、体動検知パネルを用いて、せん妄や俳徊、不穏状態、昼夜逆転等を呈する認知症高齢者の睡眠パターンを明らかにすることを第一の目的としている。さらに、睡眠パターンの変調を呈する認知症高齢者への看護的アプローチとして、下肢温罨法による深部体温の調節を行い、睡眠障害が改善されるか否かを明らかにすることを第二の目的としている。 しかしながら、認知症高齢者を被験者とする際は、研究への同意を得がたいという問題がある。そのため、今年度は、高度の認知症を抱える高齢者15名に対して、1)睡眠中メラトニン量を測定するための唾液採取、2)睡眠パターン把握のためのアクチウオッチ装置、3)深部体温調節の為の下肢温罨法の実施、4)睡眠感把握のためのアンケート調査を、予備調査として実施し、被験者の反応を検証した。結果は以下の通りである。 1)睡眠中メラトニン量を測定するための唾液採取 : 一目5回の採取を行うことができた。口中に含むスワブに誤嚥予防の為の糸を縫いつけることで、安全面の問題も解消できた。 2)睡眠パターン把握のためのアクチウオッチ装置 : 15名中7名は、1週間の連続装着が可能であったが、6名は、気になってはずしてしまうという行為があり計測不可能であった。 3)深部体温調節の為の下肢温罨法の実施 : 15名全員から「気持ちがいい」、「またやって欲しい」などの好意的発言が聞かれた。拒否的な態度を示すものはいなかった。 以上により、睡眠中メラトニンの採取と下肢温罨法の実施に問題はないが、アクチウオッチによる睡眠状態の把握には不向きな被験者の存在があるということが明らかになった。またアンケート調査は不適切であると判断した。次年度はこれらの結果を踏まえて、調査を進める予定である。
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