2009 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠障害を改善するための研究-ホットパック下肢温罨法を用いて-
Project/Area Number |
20791669
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大島 千佳 Nagoya University, 医学部, 助教 (30405063)
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Keywords | 睡眠 / 高齢者 / 深部体温 / 温罨法 / メラトニン / アクチグラム |
Research Abstract |
本研究では、体動検知パネルを用いて、せん妄や俳徊、不穏状態、昼夜逆転などを呈する認知症高齢者の睡眠パターンを明らかにすることを第一の目的としている。さらに、睡眠パターンの変調を呈する認知症高齢者への看護的アプローチとして、下肢温罨法による深部体温の調節を行い、睡眠障害が改善されるか否かを明らかにすることを第二の目的としている。 しかしながら、認知症高齢者を被験者とする際は、研究への同意を得がたいという問題がある。そのため、今年度は、高度の認知症を抱える高齢者15名に対して、深部体温調節の為の下肢温罨法の実施を行い、サーモグラフィーカメラにて、非侵襲的に皮膚表面温度の変化を計測し、その結果につい検討を行った。結果は以下の通りである。 1) 深部体温調節の為の下肢温罨法の実施:15名全員から「気持がいい」、「またやって欲しい」などの好意的発言が聞かれた。拒否的な態度を示すものはいなかった。 2) 両下肢へのホットパック施行によって、上肢・下肢末梢からの熱放散を促進させることが明らかとなった。またその温熱効果は持続性に優れていることも示された。体温調節機能が低下した高齢者は末梢の皮膚温度が低下しがちであり、特に施設入所中の高齢者は日常生活における活動量や入浴の機会も少なく、ホットパックの簡便性と温熱効果の持続性を生かし、高齢者施設において温罨法器具として活用する意義も、再度確認できた。 以上より、ホットパック下肢温罨法が深部温度の上昇をもたらし、かっそれを客観的に捉える事が可能であることが明らかとなった。次年度は、これらの結果を踏まえて、調査を進める予定である。
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