2010 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠障害を改善するための研究-ホットパック下肢温罨法を用いて-
Project/Area Number |
20791669
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Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
大島 千佳 名古屋大学, 医学部, 准教授 (30405063)
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Keywords | 睡眠 / 高齢者 / アクチグラム / ひずみゲージ / 生体情報計測用パネル |
Research Abstract |
本研究では、生体情報計測用パネルを用いた睡眠状態把握方法を確立することが、第一の目的であり、これまでに、高度の認知症を抱えた施設入所高齢者15名を対象として、1)唾液中メラトニン量の測定2)睡眠パターン把握のためのアクチウォッチ装着、3)深部体温調節の為の下肢温器法の実施、4)睡眠感把握のためのアンケート調査を行っている。その結果、唾液中メラトニンの採取と下肢温器法の実施に問題はないが、アクチウォッチによる睡眠状態の把握には不向きな被験者の存在があるということが明らかになった。 今年度は、歪みセンサーを備えた生体情報計測用パネルで得られたデータとアクチグラフで得られたデータの相同性を検討した。成人女性10名にアクチグラフ(AMI社)を装着し、22:30からの8時間、生体情報計測用パネルを設置したベッド上で睡眠をとらせた。また、同時に赤外線ビデオカメラ(プロセキュア、PCC-01)にて夜間の体動撮影も行った。その結果、アクチグラフとひずみの変化には強い相関が認められ、生体情報計測用パネルはアクチグラフと同様に睡眠中の人体の動きを捉えることが可能と考えられた。しかしながら、生体情報計測用パネルを睡眠判定に用いるには、さらに睡眠脳波との相同性を検討していく必要がある。本研究は、生体情報計測用パネルを睡眠覚醒判定に使用するための基礎的データとなった。今後は、睡眠脳波との比較検討を重ねることで、臨床に即した、睡眠障害を抱える認知症高齢者の睡眠パターン把握に役立つと考える。また、これらの内容に関しては、ワシントン大学のJoie Whitney教授を交えた研究報告会にて報告している。
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