2009 Fiscal Year Annual Research Report
患者の情報プライバシーを考慮した医療施設間情報共有のあり方
Project/Area Number |
20791670
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
守田 恵理子 Nagoya City University, 看護学部, 助教 (10423849)
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Keywords | 看護学 / 患者情報 / 情報共有 / 情報プライバシー / プライバシー保護 / 看護退院サマリー |
Research Abstract |
医療現場では、安全で質の高い医療を提供するために医療者間で情報共有を行っている。看護では患者の転院時に転院先の施設との情報共有のため看護退院サマリー(以下サマリー)を作成している。そこに記載されている内容はセンシティブ情報に該当し、その情報を他施設に提供するにあたり、患者のプライバシー保護の観点から配慮の必要性があるのではないだろうか。昨年度調査結果より、サマリーを受け取る施設での調査の必要性があったため、本調査ではサマリーを受け取る施設における、サマリー情報の取り扱いの実態、医療施設から送られるサマリーに対する意見・要望を明らかにした。愛知県内にある全ての老人保健施設(142施設)、特別養護老人ホーム(207施設)、訪問看護ステーション(141施設)を対象施設とした。協力の得られた93施設において、看護師と介護関連職種を対象とした郵送による無記名自記式質問紙調査を行った。回答者は、看護師99名(68.8%)、介護関連職種74名(51.4%)であった。医療施設からの患者に関する情報の提供方法は、サマリーによる方法が97.9%で最も多く、看護・介護に最も参考になる情報源としてサマリーを選択したものは71.5%と最も多かった。受け取ったサマリーは、ナースステーションや事務所等で保管をしているが、コピーしたサマリーを複数の場所で保管している施設もあった。58.4%の者が、施錠できる場所でサマリーを保管していると回答したが、そのうち施錠しているのは半数であった。サマリーに記載する内容や、情報共有する相手について制限の必要性の有無については、76.4%が「制限の必要がない」と回答しており、その理由として、チーム医療の為と回答したものが65.3%、専門職間での共有である為と回答したものが34.7%であった。サマリーに記載されている内容に関しては、愚者のADLの状況、処置方法など、看護・介護に関連する情報に関して更に詳細な情報の記載を求める意見が多かった。また、医療施設により情報量に差があることから、何らかの統一した書式を求める意見も多く記載されていた。回答者のほとんどが、今後も看護退院サマリーによる情報共有が必要であると回答した。
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Research Products
(1 results)