2008 Fiscal Year Annual Research Report
臥床時体動測定による睡眠深度判定法の開発-睡眠ケアと安全対策の確立を目指して-
Project/Area Number |
20791675
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
川上 勝 Jichi Medical University, 看護学部, 助教 (50382958)
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Keywords | 体動検知システム / 脳波測定 / 睡眠評価 |
Research Abstract |
本研究の目的は、これまでに独自に開発した体動検知システムが感知する体動と睡眠時脳波との関連性を明らかにすることにより、体動検知システムの信頼性と有用性を検証することである。 平成20年度は、健康成人を対象に体動検知システムによる臥床中の体動モニタリングと同時に、脳波測定を実施した。終夜睡眠時脳波測定は対象者の負担を考え、脳波測定用国際的電極位置10-20法のうち01と02のみで実施した。対象者の自宅での測定を実施したこともあり、測定中電極が外れる等の問題が生じたり、REM睡眠の判定ができないといった制限はあるが、測定された睡眠時脳波のうち、徐波が多く見られる時間帯では検知される体動が少なくなり、逆に速波では体動が多くなる傾向が確認された。従って、眠りが深い状態では、体動が少なくなるというこれまでの知見と一致する結果が得られたことから、考案した体動検知システムの睡眠評価ツールとして利用可能であることが確認できた。しかしながら、測定した脳波のうち速波が見られている時間帯でも体動が少ない場合もみられており、体動測定だけでは睡眠深度を正確に判定するのには限界があると考えた。 現在、被験者が覚醒した際にスイッチを押すことで覚醒した時間が記録できる装置と、独自に開発した、長期間計測記録可能な体動検知パネル用の記録装置を用い、一定期間連続で就床時のおける覚醒時前後の体動について検討している。覚醒前後の体動大きさや回数などが明らかになれば、臥床時の体動測定による睡眠深度の判定がより正確になることが期待できる。今後はこれらのデータも踏まえ、実際の高齢者を対象とした試験運用を実施し、効果測定を行う予定である。
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